はてな広報ブログ

株式会社はてなの広報ブログです。ウェブサイト「はてな」の話題やイベント情報、サービス開発の裏話など多彩な情報をお伝えします。

自転車通勤を促進するはてなの取り組みを紹介します 〜雑誌『Forza Vita』(技術評論社)掲載記事より転載〜

Forza Vita (フォルツァ・ヴィータ) :忙しいビジネスパーソンの体脂肪燃焼メソッド (life hacks series)昨日のエントリーではてなが国交省による「エコ通勤優良事業所」に認定されたことをお知らせしました。
今日は、今年3月に技術評論社発行のビジネスマン向け雑誌『Forza Vita(フォルツァ・ヴィータ)』にはてなが自転車通勤促進のための取り組みについて寄稿した記事を、出版社の許可をいただき転載します。
記事を執筆した2月現在とは若干状況が変わっています。例えば遠方から通勤するスタッフが増えたために京都における自転車通率が8割から7割になっていたり(惜しい!)、サーバーの増強でグリーン電力の利用率が「ほぼすべて」からは下がったりしていますが、それ以外の取り組みは変わっていません。
ちなみに最近、取材を受けた自転車の専門誌『Funride(ファンライド)』編集部からは「知りうる限りはてなは日本で最も自転車通勤者にやさしい会社です」と太鼓判を押していただきました。
もちろん、物理的に自転車通勤が困難なスタッフもいますし、徒歩通勤の人まで自転車通勤へと切り替える必要はありませんが、スタッフが「その気」になったときに躊躇なく自転車通勤できる環境を用意することで、企業としてスタッフの健康促進と地球温暖化防止に少なからず貢献できるのでは、という考え方で実践しています。
そんなわけで、はてなの自転車通勤促進への取り組みについて興味のある方は、ぜひお読みください。
原稿転載を許可くださった技術評論社様に感謝いたします。

ちょっと追記(9/9 16:00)

「自転車で一番こわいのは事故」というコメントをブックマークで頂戴しています。記事では紹介していませんが、はてなでは自転車通勤をする社員のために保険加入もおこなっています。コメントありがとうございました。

自転車通勤者にやさしいネットベンチャー、株式会社はてな(『Forza Vita』(技術評論社)掲載記事/2009年3月)

 ブログサービス「はてなダイアリー」やソーシャルブックマーク「はてなブックマーク」、任天堂DSiユーザー向け「うごメモはてな」など、かずかずのユニークなウェブサービスを手掛ける株式会社はてな。
 京都と東京の2拠点でオフィスを構えるはてなは、京都大学時代にサイクリストとしてアメリカ横断やツール・ド・北海道出場、国体出場経験を持ち、自転車専門のプロカメラマンとして活動していた代表者の近藤淳也が2001年に創業した社員数約60名のベンチャー企業です。
 自転車にどっぷりはまった学生時代から現在まで毎日、愛車のロードバイクで自転車通勤する近藤淳也の影響で、はてなでは社員の大多数が自転車通勤しています。
 実際、京都オフィスでは8割、東京オフィスでは4割が自転車通勤という多さです。自転車通勤者のための手当や環境も整備されているため「自転車ツーキニストにやさしいベンチャー」として業界の内外で知られています。

キーワードは「快適」「利便性」「健康」「自転車通勤手当」「エコ」

 そもそもどうしてそんなに多くの社員が自転車通勤をしているかというと、自転車通勤をする社員にはさまざまなメリットがあるからです。その理由となるキーワードは「快適」「利便性」「健康」「自転車通勤手当」「エコ」など数えきれません。
 たとえば「快適」「利便性」。8割の社員が自転車で通勤する京都の街は、盆地であるため坂がほとんどなく自転車で走るのに適しています。逆に電車や地下鉄の路線網があまり充実していないうえに、春や秋の観光シーズンにバスやタクシーに乗ったが最後、交通渋滞で大変な目にあってしまいます。つまり、スイスイと街を移動するなら自転車が最も快適なのです。
 さらに24時間休みなくユーザーが利用するウェブサービスの会社であることから、サーバーダウンやシステムエラーなど不測の事態がいつ起こるかわかりません。そういう不測のケースでも、自転車なら交通機関の時刻表に縛られずに自宅とオフィスを行き来することが可能です。
 ちなみにはてなは2008年4月に本社を東京から京都に移転させましたが、その際にほとんどの社員が東京から移転してきました。通常、引越をする場合は「駅近(エキチカ)」を前提に家を探すことが多いのですが、はてな社員の場合は自転車通勤者が多いため、エキチカを条件から外して物件探しができるため、家探しも比較的ラクだったようです。
 実際に自転車通勤をするとなると、多くの人が「会社に駐輪場がない」「汗をかいてもシャワーが浴びられない」といった理由からあきらめざるをえないことが多いようですが、はてなではオフィスを出てすぐの場所に十分なスペースの駐輪場を確保しています。もともとオフィスビルの駐輪場は3台しか置けない契約だったので、総務スタッフが近隣を探しまわって空き駐車場を見つけてそこのオーナーと交渉し、駐輪場として借り受けることに成功しました。現在はクルマ2台分のスペースに約30台が置けるようになっています。もちろん費用は全額会社負担です。

駐輪場、ミストサウナ付きバスルームと年間24万円の自転車通勤手当

 また、汗をかいて出社した社員のためには、オフィスビルの向かいにマンションを一室借り、ミストサウナと乾燥機付きのバスルームや洗面スペースが常時利用できるよう提供しています。マンションは広々とした2LDKで、自転車通勤者のためだけでなく、ウェブサービスの開発室としても有効活用されています。また、オフィスにはエアポンプ(空気入れ・ママチャリでもMTB、ロードでも対応)が常備されており、いつでも利用可能になっています。
 続いて「健康」ですが、こちらは言わずもがな、自転車に乗り続けているだけで健康促進、シェイプアップに有効だと実感している社員が多いようです。自転車通勤を始めてから「痩せた」「風邪をひかなくなった」という声がよく聞こえ、実際にはてなのオフィスには見るからに太った社員はいません。よく「ネット企業なのに顔色の悪いオタク風の人がいませんね」と言われるのは自転車通勤者の多い会社ゆえかもしれません。
 そして「自転車通勤手当」ですが、はてなでは自転車通勤者には一律毎月2万円の自転車通勤手当が支給されます。条件はただ1つ「自転車で通勤すること」。1年で24万円というと、ちょっとした金額です。この手当を貯金するスタッフもいれば新しいバイクを買うスタッフもいます。
 そして最後に「エコ」。はてなでは、ウェブサービス運用サーバーに利用している電力のほぼすべてをグリーン電力化してCO2削減に貢献しています。インターネットのサービスは、サーバー運用にかかる消費電力の大きさによるCO2排出量を考えると地球にやさしい事業とはかならずしも言えません。そこで、グリーン電力を利用することで、はてなのサービスすべてを動かすサーバーにかかる電力はすべてグリーン化し、CO2削減に貢献しようということになりました。企業として地球温暖化防止に貢献できないか、と常に考えているはてなでは、エコの観点からも社員に自転車通勤を推奨しています。
 実際に自転車通勤している社員の中では「東京で勤務していたときには毎日往復3時間かけて通っていましたが、春からの京都オフィス勤務でロード通勤を初めて体験したところ、今まで自分はどうして毎日満員電車の苦痛に耐えて通勤していたんだろう。ロード通勤最高!と思った」(ディレクター、二宮鉄平)という声もあります。こうした社員たちの影響で、はてなの自転車通勤者はどんどん増え続けています。
 なお、今後もはてなでは会社の成長に合わせて自転車通勤者のための環境整備もどんどん進めていく予定です。


id:reikon 近藤令子 / 取材のお問い合わせは hatenapr@hatena.ne.jp まで)